COLUMN

第6回森川海人っ感謝状贈呈式レポート

2023年11月19日、SAGAサンライズパークのパークテラス広場、中央広場にて「森川海人っフェス!」を開催しました。
フェスのステージでは、森川海人っプロジェクトの目的である「森・川・海のつながりや管理の重要性」を意識するとともに、森・川・海の保全活動等が顕著な個人や団体等を表彰する第6回森川海人っ感謝状贈呈式を行いました。

本レポートでは、受賞者・団体の活動内容と受賞に対するコメントを紹介します。

贈呈式の冒頭では、佐賀県知事・山口祥義氏が「森・川・海の保全活動を行い、豊かな自然を未来の子どもたちにつないでいくために、民間でさかんに活動されている皆さんの協力は欠かせない。環境のため、未来のために活動されている皆さんに感謝申し上げます。」と語りました。

今回の受賞者・団体は次の3組です。

森部門・吉村剛さん

<活動内容紹介>
2000年から、レイクサイド北山・フォレストラボ(さが21世紀県民の森・森林学習展示館)を拠点に森林環境教育活動や森林づくり・林業体験活動を積極的に実施。林業の普及啓発や県内小・中学校での緑化指導など地域緑化に尽力している。近年では、木と子どもたちを結ぶネットワーク「キコキコねっと」の活動として、「キコキコねっと樹木図鑑」を作成し、県内の学校や公園にQRコード付き樹名板を設置するなどの普及活動等に取り組んでいる。
令和 2 年度に森川海人っフィールドマスターに認定。以降、森川海人っ一日体験スクールの講師等、積極的に当プロジェクトへ参画している。

<受賞に対するコメント>
「環境問題に関心があって、身近な自然環境を守っていけたらという思いから活動を始めました。そしたら、山や木のことを全然知らなかった。そこから勉強を始めて、どんどんのめり込んでいっての現在です。樹木図鑑もプログラムも「これがあってちょっと助かったね」と言ってもらえたらと思ってやってきました。今回、このような形で評価していただいたことはありがたいです。これからも、今までと同じように地道に活動を続けながら、ゆくゆくは共感する方に引き継いでいけるとよいなと思います。」

川部門・水の会

<活動紹介・受賞理由>
2004年に設立。会長の西村氏が海の森植林事業等の活動や、鹿島ガタリンピック実行委員長の就任経験を通じて、森・川・海のつながりを保全する活動のサポートを行う組織の必要性を感じたことをきっかけに結成。以降、多良岳~有明海の流域の各地で、子ども向けの体験学習や河川清掃を積極的に行う。
2007年10月からは北鹿島小学校で、「ふるさとの川源流探検」を毎年実施。ダムや農業用ため池やクリークなどを見学し、生き物や水質を観察して、楽しく仕組みを学ぶことで、水の流れとそこに住む生物、人の営みの関係を子供たちに感じてもらう体験学習を行なっている。そのほか、海の森植樹祭への参加やみかんや梅の収穫など年間様々な活動に参加している。

<受賞に対するコメント>
「20年間やってきてよかったなと思いました。こうして注目してもらうことで、同じ想いを持つ方と励ましあったり、交流が生まれたり、そういうきっかけになったら嬉しいです。
鹿島市を拠点に海の森事業の植樹や海岸清掃を主催している団体をお手伝いして、みんなで啓蒙していこうというスタンスで活動してきました。有明海は、たくさんの川から水が流れ込む内海で、循環の影響が如実に現れる場所。私たちだけの点の活動ではなく、他の団体と線や面になる活動をして、循環を守っていきたいです。」

海部門・シチメンソウを育てる会

<活動紹介・受賞理由>
1992年から活動。全国的にも珍しい塩生植物「シチメンソウ」の保護育成を中心に、ラムサール登録湿地「東よか干潟」周辺の清掃活動や草な場の管理など自然環境の保持に努めている。そのほか、まちおこしイベントへの参加やシチメンソウの里休憩場での地場産品の販売など、観光振興や地域発展につながる活動も行っている。2018年にシチメンソウの立ち枯れが発生した際は、シチメンソウの移植や群生地の塩分濃度を均一にする工夫を行うなど再生に尽力した。こうした長年の活動の結果、近年の東よか干潟周辺への観光客は年間20〜30万人に上る。

<受賞に対するコメント>
「今回、このような形で評価をいただき、会のみんなも喜んでいます。励みになりますね。東よか干潟は野鳥の宝庫としても有名ですし、ビジターセンター・ひがさすができたことで自然について学ぶ場所もできました。これからも、東与賀のシンボルとしてシチメンソウを守り育てていきたい。次世代にもこの自然を受け継いでいける、そしてSDGsにつながる活動を行なっていきます。」

「森川海人っフェス!」では、森・川・海で活動している団体の出展や、子どもたちの環境ポスターの表彰式なども行われ、多くの来場者で賑わいました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

森川海人っプロジェクトは引き続き、森・川・海、そして人とのつながりを見つめ直し、未来につなげる活動に取り組んでまいります。