COLUMN

街を守る「小さな板」の大きな挑戦!〜田んぼダムがつなぐ地域の絆〜?

1. 田んぼは地域のヒーローだった!!?
 皆さんの近所にある田んぼ。実はおいしいお米を作る場所であると同時に、私たちの暮らしを水害から守ってくれている「天然の防災ダム」ってことを知ってましたか?

佐賀県では令和元年と令和3年に大規模な浸水被害に見舞われました。
これを受け、令和3年9月に佐賀県内水対策プロジェクト(プロジェクトIF)を立ち上げ、関係機関が連携して内水被害を軽減する取組を進めています。
このプロジェクトは「人命等を守る」「内水を貯める」「内水を流す」の3つの柱で構成され、「内水を貯める」取組の1つとして推進を始めたのが「田んぼダム」という取り組みです。

2. 秘密は、この「▽(逆三角形)」にあり!
「ダムと言ったら大規模工事が必要?」「どうやって田んぼに?」と思うかもしれません。しかし、主役はたった一枚の「せき板」です。

通常せき板とは「□長方形」の形をしています。そこに小さな「▽」の切込みを入れる。


たったこれだけの工夫で、雨水を少しづつゆっくりと流す調整が可能になります。


令和7年度は、県内約2,900haの田んぼで田んぼダムに取り組みました。貯められる水の量は、なんと25mプール約5,800杯分! まさに、地域全体が巨大なダムとなって私たちを守ってくれているのです。


3. 「自分で作った」が、地域を守る力に
 この「田んぼダム」をもっと身近に感じてほしい。そんな思いで参加したのが、秋の「森川海人っフェス!」でのワークショップです。

会場では、小学生から70代まで、慣れないノコギリを汗だくになって「せき板」作りに調整しました。「自分で切りたい」と最後まで頑張る子供たちの姿は、私たちから見ると地域を守る「ヒーロー」に見えました。
また、せき板にお絵描きも実施!世界に一つだけのカラフルなせき板が次々に完成し、会場は小雨も吹き飛ばすほどの、笑顔と熱気に包まれました。

4. カラフルなせき板はどこに?
 さて、参加していただいた、皆さんが一生懸命作り、彩ってくれたせき板は、単なる思い出作品ではありません。
実際に農家さん手へ届けられ、今年(R8年~)本物の田んぼで地域を守るために使われるのです。
自分が作ったせき板が、地域を水害から守る。
「田んぼって、すごいんだ!」
その実感が、農家さんと住民を結ぶ絆になっていくことを期待します。

5. 街で「のぼり旗」を探してみよう!
 田んぼダムに取組んでいる場所には、目印ののぼり旗が立っています。
 もし見かけたら「ここでも農家さんが取り組んでいるんだな」っと感じてみてください。私たちの食と暮らしを守る田んぼの凄さに、「ほっこり。」心が和むかもしれません。